築古30年の建物は価値が無い?

さて、
先々週の3連休に
不動産物件の何件かを視察・内見しました。
土地や住宅、投資物件などなど・・・

竹末は、この3連休ばかりでなく
直近3年間に数えきれないぐらいの
物件を見てきましたが、最終的な結論が出ました。

それは、わたしの建築感を大きく変えることでした。
日本の場合、
30年以上経た築古建物は「ダメ」だということです。
木造はもちろん、RCだろうとS造だろうと同じこと。

日本の不動産の経済的な市場は
建物については「スクラップアンドビルド」という
宿命的な社会構造になっています。

一部で建築物の耐久性を伸ばそうという動きはありますが
この流れを一長一短に変えることはできないと思います。
残念がらこの流れには逆らえない・・・

1100年という長い歴史を持つ
古都京都のような伝統・文化を持ちながら
建設物を長く保持し大切にしていく
という慣習について日本人の意識は低いです。
欧米のように、古くなっても価値がしっかりと残るような
社会のしくみができていない。

なぜ、日本ではこのような価値観が
できているのでしょうか?
土地価格が高いという理由もありますが
社会が常に新しいものを求める気風が
強いということもあります。

日本人の国民性が「新し物好き」ということも
あるかもしれません。
また、地震国であるという理由もあると思います。
欧米のように不動産の流通システムが活発でない
ということも考えられます。

他にも考えられることは、
建設業者が多いことも原因。(苦笑)
また、日本の場合、時代の流れが速く設備更新などの
スピード感があり、数年すると
古くなって陳腐になってしまう。

結果、建物は30年ぐらいで使用できない、利用できない
状況になってきます。(日本人の感覚から見れば・・・)

仮にリフォーム、修繕によって復活できたとしても
工事費がバカ高いので、解体して新しく建て替えた方が
手っ取り早いし、効率が良いということにもなる。

建物は、昔のように100年も持つ「耐久消費財」
ではないということが理解できると感じます。
逆に、100年も持つことは弊害になるということです。

弊害になるような建物なら、20~30年を周期として
その時代に合ったものにあっさりと建て替えた方が良い
という考えもあります。

過去、わたしは新築ばかりを建設していました。
だから、その建物が老朽化して
どういう歴史をたどっていくか
という部分が抜け落ちていたのです。

しかし、これだけたくさんの老朽化建物を見続けていると
わたしの建築感も大きく揺らぎます。

建設物は30年から40年の間に一旦、役目を終えます。
その後、その建物を生かすか殺すか
最終的な判断は、あなたがしなければならないのです。

築古20年の建物を購入して10年経ったら30年。
築古30年の建物を購入しても10年経ったら40年。

不動産投資も良いけれど・・・
しっかりと出口を考えて購入しなければいけませんね。

ちなみに・・・
賃貸の入居者である20代の諸君に
築20年の建物はどう感じるかと質問すると・・・
「ちょっと、古いですねぇ~」

じゃあ、築30年の建物は・・・?
「チョーふるーっ!レトロ~!」
だそうです・・・・・。

・・・大家さん、どうします?

それでは
また、メールしますね。